急に物音がなったから、その音のした方へ顔を向けると、音の正体は座っていた沖田が立ったときの音だった。
「麗?どっか行くの?」
「ちょっと散歩に」
…は?
藤堂の問い掛けに、驚きの返答が来た。
今から入学式ではないのか?
なのに散歩だと?
大切であろう入学式を堂々サボるつもりなのか、コイツは!
「沖田、入学式はサボるものではない。参加しろ」
私がそう言うと、沖田は目を見開き、顔を赤くして答えた。
………答えた、ではない。
叫んだ、だ。
「何いってんですか!あなたは!!入学式サボるなんて馬鹿じゃあるまいに!!」
