「え…でも、これは…湊が…」
「綺羅湊はどうでもいい。
どっちにしたって今は俺しかいないんだから問題ないだろ。」
綺羅湊の名を出されたことに無性にイラついて、軽く怒ったまま朔鈴那の眼鏡に手を伸ばす。
だいたい、こーゆーのは漫画じゃあるまいし、
眼鏡をとったところで変わらないか、小さくなるかのどっちかだろう。
そう思ってた。
条件反射で目を閉じている朔鈴那の眼鏡をとる。
「ほら、目ぇ開けろ。」
そう言うと、ゆっくり目を開ける朔鈴那。
「…!!!」
目を開けた朔鈴那を見てびっくりする。
さっきまでのはどこへ行ったのやら、ぱっちりとした二重。
くりっとした瞳は吸い込まれそうな漆黒の色をしている。


