*鈴那SEID



普通に廊下を歩いてるだけだった。

ただ屋上から教室に戻る途中だった。



なのに、上から花瓶が落ちてきて……


気がついたら、雅ちゃんが私を庇ってくれてて…



私はそれで気を失った。




「鈴那!………お…、すず…!」



遠くから声が聞こえてきて、
けどその声は凄く遠い。

一生懸命手を伸ばすけど、全然届かない。



私が目を覚ましたのは、その日の放課後だった。


誰もいない保健室は夕日に照らされ真っ赤になっていて、
時間がたっているんだと改めて実感した。