「優しくしたらさ、おもしろいぐらい俺についてきてさ」
何それ…
おもしろいぐらい…?
それって、
最初からあたしをからかってたってこと…?
「…」
あたしも、友達もただただ、何も言わずに立っているだけ…。
「…なぁ、岩佐。俺は、お前のこと嫌いだから」
“嫌いだから”
“嫌いだから”
その言葉が、あたしの頭をぐるぐる回っている。
嫌いなの…?
そっか。
必要とされてないんだね…
やっぱり、あたしは誰からも必要とされてないんだね。
最初から、わかってた。
わかってたはずなのに…、どこかで期待してた。
誰か1人は、あたしを必要としてくれるんじゃないかって…。
だけど、誰もあたしを必要としてくれない。
お母様だって、凛だって、千尋だって、幹也くんにさえ…
必要とされてない。