紗由に出会って、好きって切ない痛みなんだと知った。 胸が潰れそうになる気持ちを知った。 笑顔って… 泣きそうになる事を知った。 悩みながら成長する高校3年生。 1番記憶に残る季節に、紗由に会えた事。 俺の誇りでもあり、胸を張って “最高でした” と言える夏。 「あー、ゆんちゃんの匂いだね…。」 『えっ…、臭いって事?』 「違うよ〜。香水! この香りが変わってなくて嬉しいなぁ……。」 俺も… 紗由が覚えててくれた事が嬉しい。 こんな小さな事を覚えててくれた事…―― .