秘めた想いがある。
届けたい… 想い。
「ゆんちゃん聞いてよ〜。」
教室の窓際。
今日も紗由(サユ)の声で、俺の1日がスタートする。
前の椅子に跨がって、後ろの俺を凝視しながら話す彼女……。
平澤紗由は… 俺の元カノ。
付き合ってたのは2ヶ月前になる。
紗由を大切に出来なかった…。
友達を優先してた。
約束を破ったり冷たい態度を取ったり…―
紗由が「ゆんちゃん」って着いてくる事を、当たり前に感じた罰。
俺は…――
心が離れて行った事すら気付かなかった。
別れる一週間前に、紗由から来たメール。
〔ゆんちゃんの考えてる事がわからない。
紗由に冷たいのはどうしてなの?紗由は、前みたいに楽しく笑って付き合いたい。
最近のゆんちゃん…。自分ばっかり。〕
紗由の最後のSOS
軽い気持ちで聞いてた俺は… 流してしまった。
紗由が俺から離れたのは、周りの友達に言わせれば……
「当然だろ。お前バカ。」
…その一言らしい。
親友の直哉ですら呆れてた。
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