魔法都市



奏は閉じてた目を開け今まで黙っていた口を開く

「だから第零地区よ」

「……」

奏が“第零地区”と言うとなぜかみんなが一斉に黙る

「黒羽の居場所なんて第零地区以外にどこにアジトを作るわけ?いくら黒魔法が危険なもんかアイツらだってバカじゃないんだし分かってるはずよ」

「そりゃ…そうだが…」

「奏、何で黒羽の居場所が第零地区と断定出来る?」

奏はふぅ、と一息付くと話に付いていくのがやっとな悠太にも分かりやすく言い始める

「水城…?」

「第零地区と残り“全て”との地区は遮断されて立ち入り禁止となっている。だから魔法管理委員会及びMEEOも第零地区だけは管理外にしてる」

「じゃあ、第零地区いる奴らはどうやって出入りしている?残り“全て”との立ち入りが禁止され遮断されてる。おまけにあそこには二重に結界だって張ってるんだぞ?」

「はぁ…だからぁ…」

がしがしと頭を掻きながら奏は面倒くさそうに言う


「あそこが封鎖及び遮断されたのはいつ?はい、蓮斗!」

すると奏はいきなり蓮斗を指さす

「えっ、お、オレ!?」

「さっさと答える」