魔法都市



「その後、ブローカーを捕らえ話を聞くとやはり多額の報酬と引き換えに“実験材料となる人材”を差し出すと契約してたらしいです」

「なるほどな。……その取り引きしてた相手は?」


「何度聞いても口は開いてくれなかったですよ」

「やはり…“黒羽”が関係してるだろうな」

“黒羽”が絡んでくると対策は早く考えなければならないのだ
だが蓮斗の情報にはいま奴らがどこに居るかわからないらしい

「それで?奴らが開発してる実験て?」

弥生が蓮斗に質問する

「“黒魔法”の開発」

「なっ…」

「黒…魔法だと!?」

「あんな危険な魔法を…」

「まだ研究段階ではあるけど早くしないと手に負えなくなりますよ」

“黒魔法”の研究をしていると前々から聞かされいてた奏と悠太はそれほど驚くこともなく平然としている

「蓮斗、“黒羽”の居場所は?」

「そうだ、居場所さえ分かれば早い話だ」


「それが…まったく掴めてな――」


「第零地区よ」

蓮斗の言葉を遮るように言ったのは奏だった
そして一斉に彼女に視線が集まる

「え…」

「水城いま…なんて…」