――――コンコンッ
「はい」
「オレ、悠太だ」
「どうぞ」
ドア越しに言うと悠太が入ってくる
彼は偶然聞いてしまったことをやはり気になり戻ってきたのだ
「どうしたの?」
「聞きたいことがあるんだ」
「珍しいわね。……で?聞きたいことって?」
「“例の計画”ってなんだよ」
「……っ!?」
悠太の口から意外な言葉が出てきてピクリと反応する奏
(聞かれてたか…)
「一体なんの話?」
「とぼけるなよ」
まずいなと思った奏は少しため息をつく
「盗み聞きなんてずいぶんと趣味が悪いんじゃないの?篠原くん」
「お前ほど悪かねぇよ」
「そう」
お互いに一歩も引かない様子の二人
これ以上なにも言わない奏に悠太は机を叩き彼女に問う
「お前なにか隠してるだろ?それに…“例の計画”ってなんだよ。答えろよ水城」
「……」