そう言って蓮斗とクロは再び情報収集しに行くのだった
一人残った奏は頭を抱えて考えるしかなかった
“どうすればこの世界が救われ犠牲者を出さずに済む”
……のだろうかと
「夕紀さん…あたしにはこの世界を救うことを出来るのだろうか…」
静かに涙を流し夕紀が亡くなった悲しみや苦しみ悔しさが込み上げてくる
「……」
ドアの向こうで悠太が今の話を聞いていたことを奏は知るよしもないのだ
そしてそっとその場から立ち去るのだった
「はぁ…」
一人ため息付く奏
すると誰かがドアをノックしてきたのだ
「はい」
「あたし、弥生よ」
「どうぞ」
慌ててノートを引き出しに仕舞う奏
「調子はどうかしら?」
「…見ての通りですよ。ところでどうしたんですか?」
「ちょっとね」
「はあ…」
言葉を濁す弥生に曖昧な返事を返す奏
「一週間後に緊急会議をすることになったの」
「会議…ですか?」
「えぇ。だから特別総指揮官である奏に出て欲しい」
「え…」
「蓮斗の報告を受けて緊急で会議を行うことになったのよ」
「それで…」


