「なぁ…水城」
「……ん?」
奏が生徒に授業を教えたあとのちょっとの間の休憩時間に悠太が声を掛ける
「この都市って“魔法都市”だろ?」
「そうだけど?」
「能力者が居んのになんで“魔法都市”って言うんだろうな」
「…知りたい?」
「お前知ってんのか?」
「……」
さぁ、どうかな?という感じで奏がフッと笑う
すると魔法科の一人の生徒が奏に話掛ける
「水城さん」
「ん?」
奏が顔をあげると自分より年下の男子生徒がいた
「魔法がうまく発動しないんですけど…どうしたらいいですか?」
「魔法をうまく使いこなそうと思わずに軽い気持ちで魔法を使えばいいよ」
「え…」
「例えば誰かを楽しませたいとか守りたいって気持ちを強く思うとそれに魔法も応えてくれるから」
「……!強く思う気持ち…。やってみます!ありがとうございます」
何かをわかったのか奏にお礼を言うと男子生徒は去っていく
その様子をルカ、マリアは少し離れたところで見ていた
「さすが水城さんね」
「えぇ…。魔法の心得を良くわかっているわね」
「そうね」


