魔法都市



「いまはジャッジメントとの巡回を強化していくわ。どんな小さい情報でもいいからなにか掴んだら伝えて欲しいのよ」

「わかった」

全員が一斉に頷く

「あたしは指揮を取るけどたまに巡回にも行くわ。華澄、圭斗、篠原くんは咲哉くん水瀬くんをバックアップしながら巡回して」

「りょーかい」

「任せて」

それぞれが部屋から出ていく
すると奏は悠太に声を掛ける

「篠原くん」

「んあ?」

動きを止めて奏のほうに振り向く

「ちょっと余談なんだけど…いい?」

「なんだよ」

「使い魔と契約してみたい?」

「え?契約?」

言ってることが分からず聞き返す
奏は一つの鍵を見せながら説明する


「実はね、あたしと仮契約してる使い魔が新しい契約者を探してるのよ」

「なんでオレ?つーか、お前がそのまま契約すりゃあ早い話じゃねーか」

「まあ…そうなんだけど」

言葉を濁らす奏

「前の契約者が夕紀さんなのよ」

「え…母さん?」

「そう。夕紀さんが居ない今、あたしは新しい契約者が出来るまで仮契約してるの」

「……」

「…どう?」