次の日になり目を覚ますとそこには弥生がいた

「ん…弥生さん?」

「おはよ奏」

弥生はまた家に帰らずここで寝ている奏なはちょっと呆れながらも挨拶をする

相変わらず家に滅多に帰らない奏

いくら弥生が保護者代わりとはいえ心配にはなるだろう

「またこもって何かしてたの?」

「……そろそろ本格的にダウンロード始めなきゃって」

「そう…」

朝食作ってきた、とテーブルに置く

この世界に自ら入ったことを後悔してないのかと毎回思っていた
あの事件以来文句も言わずにいろんな仕事をこなしてくれた奏

とはいえ、まだ10代だ
たまには学生らしいことをして欲しいと願う弥生

「弥生さん?」

「ん?」

察しのいい奏は弥生の様子に声を掛ける

「あたし、何かしました?」

「そんなことないわよ?奏はいつも良くやってくれてるわよ。ただ、無茶はあまりしないでね?」

「……はい」

こんな風に心配させてしまったことをさすがに反省する
弥生が奏を娘のように思ってるように、両親の居ない彼女にとって弥生は母親のように慕っている

だからこそ頭が上がらないこともしばしばある

「弥生さん、ありがとう」

「ふふっ、あなたは一人じゃないんだからね」