「これらを上手く使いこなせばどんは敵にも勝てるはずよ。ただムダにチカラを使うだけじゃ予想外の事態に対応出来ないからね」
なんとも説得力のある返しだと思うみんな
確かに今以上に何が起こるか分からない
相手が黒羽にしろ頭のキレる研究者にしろせっかくあるチカラを使いこなせなければ意味がない
「と、いうわけだからみんな頑張ってね」
「え?」
「ちょっ、奏!?」
「奏さん…?」
散々言ったあとまるで他人事のように扉に向かって歩き出す
そんな彼女を呆然と見たあと止めに入る
「あたし相手じゃ話にならないし、いまの状態でろくに魔法使えない人を倒しても面白くないでしょ?」
「……お前はそーゆうヤツだったな」
「デジャブを感じるわ…」
華澄と圭斗は前にも同じことがあったと呆れた様子だ
確かにいまの奏の状態は万全とも言えない
ろくに魔法も能力もまともに使えない
別に使わずとも相手は出来るがやるべきことがあるため今はみんなの相手が出来ないのだ
「やるべきことが終わったら相手してあげるからそれまでマナの指導のもとで頑張ってね」
それじゃ、と言い残して訓練場をあとにする
残されたメンバーはマナの指導もとこれから特訓が始まるのだった


