みんなの個々のチカラが弱いわけではない
だけど強いからこそもっと鍛えればいま以上に強くなれると思うと踏んだのだ
「決してバカにしてるわけじゃないわよ。華澄も圭斗も私に鍛えられたからこそ能力の使い方が幅広くなったはずよ」
「それもそうね」
「お前には感謝してるよ」
ふっ、と小さく笑う
能力も魔法も使い方によっては毒にも薬にもなる
そしてその使い方によって今より強くなるし様々な状況にも対応出来る
一つのチカラを在り来りな使い方ではなく複数の使い方をすれば臨機応変に対処が出来る
「で、特訓つっても何をするんだ?」
「僕たち特訓って初めてなんですけど…」
悠太、要、咲哉にとっては初めての経験
いざ、特訓しろと言われても具体的になにをどうするべきなのかさっぱり分からない
奏は楽しげに「簡単だよ」と得意げに言う
「タイマンで戦えばいいんだよ」
……と、サラッと言う
そんな奏にみんなは一瞬固まる
戦うとは?と恐らくみんなの脳内では各々で解釈をしていることに違いない
とくに華澄と圭斗はすぐに理解をして「お前ねぇ…」と呆れた様子だ
「ああ、タイマンと言っても実践経験を積むために組手をするようなもんよ」
空手に例えて説明をする


