南雲もそれは分かっていた
「さて…今までのこと説明してくれない?対策は早めに取らなきゃならないし」
「ああ、そうだな。データはUSB(これ)に取ってきた。お前からの連絡があってからやったからダウンロードにはちょっと時間掛かったんだ」
「ありがと」
奏は南雲からデータが入っているUSBを受け取る
いつでも戻れるようにデータはずっと移していた
黒羽たち研究員どもは気付いていない
USBを差し込むとデータが表示されるまで時間が掛かる
「オレから言えるのは再び異能者実験が近いうちに行われる可能性は高い」
「……近いうちに動くってそのことかしら」
「多分な。だけど黒魔法の研究も進んでる」
黒魔法の研究も再び異能者実験が行われるのも時間の問題と奏は察した
いま自分に出来ることはMEEOのメンバーの個々のチカラを強くすることだ
南雲が持ってきたデータも先程の同じことが書かれていた
あの事件から数年の間までの実験件数とデータ収集
黒魔法に関する情報など
「厄介事になったわね…」
「どうする?オレは明後日にはまた向こうに戻らなきゃならないし」
データは置いていく、と付け足す
奏はなにかを思い付いたかのように立ち上がる
「奏?」