その件も含めて南雲を呼び出したのだ
抜け出すことさえ危険でなにかあれば殺されるかもしれないのだ
だが南雲は百合華に「懐かしい友人に会う」と行って出てきたのだ
「どれくらいまで居るの?」
「3日だ」
「よく3日も許可したわね。ま、おかげで助かるけど」
万が一黒羽の連中に付けられることも心配してわざと第九地区まで来たのだ
南雲の様子からして尾行はされていない
それほど南雲のことを信頼しているのだ
「まあな。奏は体大丈夫なわけ?あん時ぶっ倒れてただろ?」
「咲哉くんのおかげでなんとかなったわ。でももう時間の問題よ。あたしたちが倒れるか黒羽が捕まるか…」
「そうだな。ひとまず本部まで連れてってくれ。オレはあまり身動き取れないから明日明後日は適当にホテルに身を隠すことにする」
「分かったわ」
二人はお店を出て第七地区にあるMEEOの本部まで向かう
バスを乗り継いで第七地区で降りると「おー」と急に声を上げる南雲
彼にとって七地区に来るのは数年ぶりだ
ずっと潜入捜査のため第零地区にある黒羽のアジトにこもっていたからだ
「あんたにとっては久しぶりか。あんま変わってないでしょ?」
クスッと笑いながら問い掛ける
「まあな」
そんなやり取りしたあと本部に入るのだった
fin.