華澄の言葉にピクっと反応する
旗からみれば"誰かに似てる"と思うのは仕方ない
華澄だけでなく圭斗や悠太たちも同じことを思っていた
奏たちにとっては隠すことでもないが本人がどう思うか分からない
だがいつまでも隠し通せる人たちじゃないと思い話す
「ああ…黒羽百合華(そのひと)は…」
するとーーー
「私の母親よ」
どこからか声をして目をやると入り口に朱理がいた
「朱理…」
「朱理…ちゃん」
朱理はなんとなくではあったがいまの状況に理解していた
奏たちが研究施設の調査の件を調べていたときから
そしてもう一度言う……
「黒羽百合華は私の母親なのよ」
顔色一つ変えずいつものにこやかな朱理とは違うことにみんなは驚く
「この人が、朱理ちゃんの…」
「ど、どういう意味?だって朱理、お母さんいないって…」
「……そう答えるしかなかったのよ。なにも説明しなくてごめんなさい」
目を伏せながら言う
百合華が朱理の実の母親だと知っているのは奏を始め、洸、マナ、弥生、蓮斗、上層部の一部のみだ
そして朱理の過去を知っているのもそのメンバーだけだ
今まで口止めをしていたのは奏自身だからだ


