「奏起きてる?」
ドアを開けてそう訪ねてきたのは朱理だ
三人が施設関係の調査から戻ったことを蓮斗から聞いて駆けつけて来たのだ
「朱理ちゃん…」
「おはよ、悠太くん。奏の容態が気になって来たんだけど起きてる?」
「ああ、どうぞ」
「ありがとう」
治療室に入ると体を起こしている奏に軽く挨拶する
近くにあるイスに座ると今回の調査のことを聞くことにした
「ごめんね。倒れたのは聞いてたからほんとは後から来る予定だったんだけど」
「朱理も忙しいの知ってるし…それに…」
「……それに?」
グッと唇を噛み締める
百合華と会ったことを話すべきか否か迷っていた
なにせ百合華と朱理は関係しているからだ
チラッと近くにいる悠太に目をやる
直接ではないが悠太にも関係してくるためどうするべきか迷っておりなかなか言えずにいる
「水城?」
「奏?なにかあったの?」
「いや、なんでも…。弥生さん含めてみんな集まった時に報告を混ぜてその時話すわ。朱理もその日はMEEO本部に来て欲しい」
「分かったわ」
なにか言いたげにしていることに気付いているが追求することはしなかった
今後の動きに影響してくる可能性があるからだ


