魔法都市


「まあ、10年経てば体も限界に近いんだろうな…」

「そう、ですよね…。どうにかならないんですかね。奏さんだって生きたいはずですよ」

治療しながら悔しそうに言う
もちろん悠太だけでなく誰しも奏に生きてほしい気持ちは同じだ

"20歳まで生きることは低く私はもう長くない"

それは奏が決めた基準に過ぎない
単にあの事件がきっかけで予知能力が発動しそれが奏にとって毒過ぎない

言い方を変えれば奏は魔法、テレポート・予知能力と三つの持ち主
その分体にだいぶ負担が掛かり大きくチカラを使おうとすればするほど負荷が掛かり発作が起きるのだ

「……そうだな」

奏ほどのチカラの持ち主となれば制御アイテム(通称・リミッター)をいくつか付けている
チカラを制御出来ないワケでなくチカラが強すぎる故に万が一のことを考えての結果だ

そんな時誰かが治療室のドアがノックしてきた
二人は返事をすると悠太が入ってきた

「あれ?咲哉に蓮斗…?」

「悠太さん!?」

「よっ、悠太」

咲哉はびっくりするが蓮斗は手を軽く上げる
悠太も二人にビックリする

ちらっと横になっている奏に目をやる
またか、と内心呆れていたがなにがあったか聞く