魔法都市


『奏さん!』

『あのバカ!通信切ってやがるからこっちの声聞こえてないんだ』

奏の元へ行きたい二人だが結界が張っているため駆け付けることが出来ない
なにかの反射で結界が破れるか奏が結界を解除しなければ動くことも出来ない

「…はぁ、はぁ…」

奏は血を拭いながら百合華を睨む
だが立ちがる力が出ないため膝を付いたままだ

《苦しそうね。……体がどんどん蝕まれていくのに楽になりたいと思わないの?》

「……はっ、誰がそんなこと思うのよ。アンタたちを倒すまで楽になりたくないわ。それに"約束"されたもの」

ゲホッとまた咳をするとポタッと落ちる血

そして思い出していた、悠太が言ってくれことを

"お前を救う!"

その言葉に心を救われたのだ
生きる希望と勇気が再び湧いたことに

(でも、もう限界…。目が霞む…)

ついに意識が飛びそうになる

《いつまでそうやって足掻いてればいいわ》

「………っ」

吐き捨てるような台詞に怒りが湧くが今の体力では銃を構えるのが精一杯だ

そのとき、ジジっと百合華のホログラムの体が一瞬ブレて透けていく

《ホログラムも15分が限界ってところか。最後な一つ良いこと教えてあげるわ》