魔法都市


「…………」

《無言を貫くなら別に構わないわ。キミが私を許すわけないものね。さぞ憎いでしょうね?私のこともあの実験も…》

「憎いわね。あの実験で何人死んだと思ってるの?罪の意識なにも無いわけ?」

《無いわ》

ハッキリとそう答える百合華
そんな百合華を許せない…否、憎い奏

ギリッと口を噛み締める
そして思い出していた

あの実験で何人叫び苦しみ命を乞いても惜しくも亡くなっていった人たちのことを…

《憎まれて結構よ。キミだってあの実験から約10年…よくそんな体で生きているわね。植え付けた能力(チカラ)の副作用で苦しいはずなのに》

「……黙れ」

《いつまでそうして居られるかしら?どんどん体が限界を迎えているのに》

「黙れよ…」

百合華の挑発にいつも奏らしさを失っていく

咲哉と蓮斗も心配していた
無駄にチカラを使えばまた倒れてしまうことを恐れているからだ

《……クスッ。あの実験をしたときもそうやって足掻いていたわね》

「だまっ……ゴホッゴホッ…」

『…………!』

百合華の最後の挑発に奏が飛びかかろとした時急に咳き込み膝を付くと血を吐く

……奏は発作を起こしてしまった
それに二人も気付く