「用はそれだけ?」
『ん、まあな。あと弥生からで2.3日間空けてからまた調べろだってさ』
「分かったわ。またあとから招集掛けるから」
そう言い残すと通信を切る
弥生が日にちを空けろと言った理由は奏には分かっていた
こっちの行動がバレて警戒される恐れがあるからだ
そうでないと向こうの動きが止まってしまうからだ
「蓮斗さん、なんて?」
「んー、少し休めってさ」
「奏もその様子じゃ体に負担かかってまた倒れるわよ」
「やっぱり知ってたんだ」
「なんとなく、かな」
奏の体のことを朱理も知っていた
時折咳き込んだり発作などで顔色が悪いことも
情報屋だから知ってるわけでなく彼女の過去も知ってるため心配していた
「朱理…」
「ん?」
名前を呼ばれると無垢な笑顔が奏に向けられる
すると穏やかだった空気は少し変わり始めた
「"あの人"はあたしが止めるから」
その言葉に驚く
朱理に向けられた"あの人"で察したのか「よろしくね」と切なくお願いする
「じゃ、あたしはこれで失礼するわ。少し休まないと誰かさんたちがうるさいし」
「えぇ」
最後に一言二言交わし奏は部屋から出ていく
数日後にまた調べを開始するために休むことにした


