魔法都市



最初の施設に着くと入口で待機する奏
インカムで着いたと報告する

「着いたわよ」

『ちょっと待ってくださいね。まだアクセスには時間かかるので、とりあえず奏さんは中に入ってカメラの配置場所と台数を確認出来るだけお願いします』

「分かったわ」

なるべく足音を立てないように中に入る
建物内は真っ暗で月の灯りだけが頼りだ

壁をつたりながら一歩一歩進む
奏がいる研究施設は昔能力者の開発に使用されていたものだ
割と綺麗で壊れた箇所は少ない

「……電気は通るみたいね」

壁から感じる電磁波で電気が着くことが分かった
建物自体まだ新しい方だが三年前に設備の整った別の場所に移された
そのため資料などほとんど無いに等しい

『奏さん聞こえますか?』

「聞こえるわ」

インカムから聞こえてきた咲哉の声に応答する

『咲哉くんが全部の監視カメラのアクセスが終わったんだ。お前が今いる場所から近い場所にカメラ無いか?廊下でも部屋でも構わない』

咲哉と一緒にパソコン内に映された画面を見ながら蓮斗が言う
建物自体まだ新しいためカメラ全部に入り込めたのだ

「あったわ。あたし今一階のどこかの廊下にいるわ。見える?」

近いのカメラを見つけて手を振る
パソコンの画面にはカメラで捉えた奏の姿が映る