いまの話を聞いて奏にどう声を掛けていいかわからない悠太
それを察したのか奏は悠太にフッと笑ってみせる
「あたしはもう大丈夫よ。弥生さんに迷惑掛けたくないし高校生なんだから今は一人暮らししてるだけだし」
「水城…」
「いまは華澄や圭斗…それに篠原くんが居るし」
「……そっか」
いまの言葉に悠太はホッとする
「ところで…」
「うん?」
「今度魔法図書館に行くの付き合ってくんない?」
「魔法図書館?」
「えぇ」
“魔法図書館”とは魔法都市で一番大きい図書館
魔法や超能力に関する本や資料はもちろん過去にあった事件や魔法都市に関するデータやファイルが置いてあるのだ
「図書館に行くのはいいが…なにすんだ?」
「“黒羽”の情報を詳しく調べようと思うの」
「なるほど…」
「蓮斗でさえ“黒羽”の持っている情報が少ないし奴等が第零地区にいるのは間違いはず。現在ブローカーがどう動いているかも気になるし…」
「このまま裏切りものだのなんだのって出るのも時間の問題か…」
「えぇ。いつ奴等が動くかわかんないし…」


