「う…ん…」
その時、奏がそっと目を覚ます
とっさに撫でていた手を離す悠太
「あ…起きたか?」
「うん…。誰か来たの?」
「あぁ。蓮斗がな。お前の様子見にきたらしい」
「そう…」
まだ少し眠そうな奏
だが悠太はさっきの蓮斗のあの表情が気になっていた
蓮斗も奏の過去を知っている様子だったと考えていた
「なぁ…水城」
「……ん?」
「お前…ずっと一人で生きてきたのか?」
「え…」
とっさに出た言葉に悠太本人もビックリしていた
何よりも質問された奏が一番驚いているはずだ
「あ…いや…」
「……蓮斗からなんか聞いたの?」
勘の良い奏は何かを察した様子だ
「聞いたつーか…蓮斗の表情が気になって」
「表情?」
「お前の両親のことを聞いたら一瞬表情が曇って…」
「両親…か」
「水城?」
「いずれバレるんだし別に話しても構わないのに」
奏はフッと笑う
悠太が彼女の反応が意外だと感じた
自分の過去を聞いたら普通なら困った表情や黙るはずなんじゃないかと思っていた
「あたしの両親はすでにこの世界に居ないのよ」
「え…」


