「……危険?」
悠太は首を傾げる
「特別な力だからこそ危ないのよ」
「なるほどな…」
奏の言葉に納得する
「ただ…」
「?」
「この都市が危ないっていうのは時間の問題よ…。早く黒羽を捕まえなっ…ゴホッゴホッ…」
最後まで言おうとした瞬間、奏が突然咳き込み床に倒れる
悠太は慌てて駆け寄り抱き起こす
「水城!?おいっ…大丈夫か?」
「だ…大丈夫…ゴホッゴホッ…」
「少し休め…。お前ずっと動きっぱなし――――…え?」
悠太は手に何か違和感を感じて見てみると手には血が付いていた
「水城…?お前…」
「ゴホッ…ゴホッ…」
実は奏は咳き込むと同時に吐血をしていた
それが悠太の手に付いてしまったのだ
「だから言ったじゃない…。あたしはもう長くないって…」
「……っ」
「少し休めば大丈夫だから…。それにこんなのいつものことよ」
「いつもって…」
悠太はとりあえず奏を抱き上げて近くのソファーに寝かせる
「いまは休め。このことは誰にも言わないでおくから」
「……ありがと…」
奏は弱々しくお礼を言うと目を閉じて眠りにつく


