奏は悠太の言葉を遮るようにそうはっきりと言う
「……」
「“防ぐ”ことは出来ても“変える”ことは決して出来ない」
「っ…」
悠太は拳を作り悔やんでいた
どうしたら奏を救うことができるのかと
「黒羽(あいつら)を倒さない限りなにも変わらない。これ以上一般人を巻き込んであたしみたいな異能者が居ちゃいけないのよ!」
「水城…」
「それに…黒羽はいつ動くはわからない。だから犠牲者を増やしたくない」
「水城」
悠太はまっすぐ奏を見る
奏の意志がどれだけ強いかわかっていた
普段は勝ち気な性格でもやっぱり普通の女の子なんだなと思ったのだ
「オレはオレなりでお前と救う。だから死ぬ時は一緒だと思え」
「……え?」
「言ったろ。オレはお前を救うって。水城がいまどんな“未来”を視たかはわかんねぇ。この先、オレやお前にツラいことが起きるかはなんとなく予想は付く」
「篠原…くん?」
「だから、全力でお前に協力させてくれ」
ふっ、と優しく微笑みながらそう言う
悠太は夕紀(母親)が守りたかったものが目の前にあるならそれを守るのが自分(息子)の役割なんじゃないかと心の中で思っていた


