「いま、第零地区がどうなっているかは我々にはわからないが…キミはあの時“なにか”を見たのか?」
「そうですね…微かにある意識の中で見たと言えば見たかな。周りにはたくさんに機械があって実験の被害者たちの悲鳴が響き…外は崩壊した建物や錆びれたビルがあって…」
「水城、もういい。なにも言うな」
「え…」
隣を見ると悠太が手を握っていた
彼はこれ以上奏が苦しむ姿を見るのは耐えられなかったのだ
「あとは…覚えてません」
「そうか。すまないな、イヤなことを思い出させて」
「いえ」
「……それで、黒羽が今度はいつ動くかわからない。そのために誰が指揮に取るんだ?牧野」
他の上層部の視線が洸に向けられる
「MEEOは私が指揮を取る。そちらはやはり管理長の松戸が適任だろうな」
「そうか。それでいいか?水城」
「あたしは構いません」
「なら、決定だな。それぞれ情報提供や交換を怠らないように!解散」
そう言うとそれぞれ解散して会議室から出ていく
「奏、悪いな。勝手にオレが指揮を取ることになって」
「もともとは洸がMEEOの指揮官なんだから当たり前でしょ」


