「あー…確か10年前」
「正解。そして黒羽は表向きは“魔法や能力開発”をしてた。そして本当の目的は“黒魔法の研究・開発”なのよ。だから今まで動きはなかったのは研究をしていて二重に張られた結界を出入り出来る力を入れてブローカーと接触してるのよ」
奏は自分の推測ではあるがみんなを納得させれるだけの意見を言う
そして奏には黒羽が第零地区にいるという確信があったのだ
「だからと言って黒羽が第零地区に必ず居ると限らないぞ?」
「居ますよ。“必ず”ね」
「随分と確信がお有りの様子ですな、水城特別総指揮官」
「そりゃありますよ。何故なら…」
ふっ、笑いながらもの悲しそうに言う
「10年前にも“同じ場所”で異能者実験が行われていたのよ」
「なっ…」
「……」
「水城…お前まさか…」
「そういえば…お前は10年前の事件の被害者だったな、水城」
「はい」
奏が10年前の事件に巻き込まれたことは今会議に参加している大半の人たちが知っている
だが、奏は事件のことをあまり公にしてないため“その場”でなにがあったのか詳しいことまでは誰も知らないのだ


