ブランコに乗ってどれくらいの時間が経過したのだろうか…
人1人いないこの小さな公園で、そんなことを考えていた。
「私が戻れば…全て解決するんだ。
皆に迷惑ばかりかけてきたんだから…。」
自分がこれからどうすればいいのか、その答えはもう出てる。
大池組に戻ればいい。
そうすればあの人はもう出だしはしないだろう。
ゲームの内容はそういう条件もある。
「………。」
頭ではわかっている。
でも体が動くことを拒否している。
大池組に戻りたくないという、私の本能からきているものだろう。
それでも自分から戻らないと…このループは止まらない。
覚悟…決めてたはずなのにな……。
そんな私の前に人影が一つ現れた。
誰だかは想像できる…あの人しかいない。
私は思い切って顔を上げた。
「……組長さん…。」
組「…どう呼べと教えた?」
「…晋(シン)さん……。」
あの頃のように名前で呼ぶと満足げな顔をした。
晋(組)「何かいう事はないか?」
このまま私を連れて帰ろうとしているのは分かる。
でもこの人は…晋さんは、私の口から"帰る"という発言がほしいのだろう。
それを口にした時点で私は私の意思で"戻る"ということになる。
決して"連れ戻された"にはならない。
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