「っ…早く…はぁっ……出して……」
運「あ、あぁ。」
おじいちゃんみたいな運転手は状況がわからず若干動揺していた。
しばらくしてから後ろを確認すると追っ手は誰もいなかった。
「はぁ…はぁっ……」
運「お嬢ちゃん大丈夫かい?」
「はいっ…ありがとうございます…。」
運「誰かに追われてたのかい?」
「…はい。」
運「そうかい…。
ところでどこへ行くとか決まってるの?」
「まだです。
今日しか逃げるタイミングがなかったので……。」
運「よし。
それじゃぁ隣りの県まで連れて行ってあげよう。
代金はいらないからね。」
「それは悪いです!!」
運「いいんだよ。
あ、その代わり話し相手にでもなってくれるかい?
孫がいるんだけどね、最近会ってなくて寂しいんだよ。
だから、ね?」
「あ…ありがとうございます。」
私がたまたま乗ったタクシーの運転手さんはとても優しくて暖かい人だった。
運転手さんの話を聞いたりしながら私は隣りの県へ向かった。
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