キーンコーンカーンコーン...


部活の終わりを告げるチャイムが響いた。


私、坂野雫は、
チャイムよりも先に吹奏楽部の活動を終えて、2組に向かっているところだった。

2組では、現在交際中の雪村薫が教室で待っている。

毎日一緒に帰る約束をしているから、いつもと同じで、恋人らしく、帰るはずだった。


けど、


今日は、違ったんだ。


2組につくと、教室の人影が2人見えた。
きっと、薫の友達だ。その時はそう思った。
仲の良い人なんだと、疑いもせず、扉に手をかけた。


その時。


「好きだよ、薫。」
「俺も、好きだ。」


夕日に照らされた影が、扉の窓越しに、はっきりと重なって見えた。

2人は、
キスしている。

どうして?どうして?

わけも分からず、私はその場を逃げ出した。








「ねえ、誰か廊下にいなかった?」
2組の教室で

「さぁな。」

こんなことが

「続きしようよ。」

「…あぁ。」

去ったあとも、続いていた。