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「莉子?大丈夫?」

「え、あぁ、うん。平気」


次の日、いつの間にか訪れた休み時間に咲奈が心配そうな顔であたしの顔を覗き込む。

そういえば、今何時間目の休み時間だっけ?


「ほら、次、莉子の嫌いな日本史だよ?」

「あ、三時間目か」


ロッカーまで教科書を取りに行こうとして、席を立ったあたしの腕を咲奈が掴んだ。
何?と表情に出しながら振り返ると、咲奈の空いてる方の手にはあたしの日本史の教科書。


「あれ?」

「今日の授業の教科書なら全部、朝ロッカーから出したでしょ?一緒に」

「あぁ、」


そうだったっけ。


「ねぇ、莉子?」


咲奈はあたしの腕を解放し、そのままおでこに移動させる。


「具合悪いの?熱は…無さそうだけど」


具合ならずっと悪い。
病気ならずっと前から。
でも、助からないよ、末期だもん。

恋の病とか、可愛く言えたら良いんだけど、

言えないよ。


「…大丈夫、ありがと」




だって、相手は咲奈だから。