恋に恋をして、


「美桜はさ。

恋に恋してたんだよ!!

きっと。

この出会いは、小説でいい恋に繋がるなぁ!!

とか、この人はあの小説の主人公に似てるから良いなぁ!!

とか、そう思ってその人に恋してるって錯覚に陥てたの。

だけどね?

あんたが恋してたのは、

その人じゃなくて、

その人に似てる小説の主人公がした恋、

その小説で見た出会いから始まる恋、

美桜は、恋に恋してたの。

だから好きって気持ちも、

嫉妬だって、

錯覚だったり、

自分のものを取られたって気持ち何だよ。

だから...

多分ね?

美桜が知ってる恋、

嫉妬と全然違うんだよ。

ねぇ美桜?

あんたの大好きなケータイ小説の主人公なら、

恋の自覚したら何をするの?」

う~ん。

『きっと、

可愛くして、

告白するの!!』

あっ!!

そっか。

そういうことか!!

「うふふ。分かったみたいね?

可愛くして告って来なさい!!」

嫌々!!

絶対に

『嫌!!

ってか!!

私が化粧した時二度とするなって言ったのは、

有希でしょう!?

何今更!!』