私は席に座り皆が帰るのを待っていた
「じゃあな」
篠原が言った
私は何も言わずに頷いた
教室が私と北川だけになった
北川は私の席の前の椅子に座り私を見た
「…」
「聞くがお前は何を頼りに生きている?」
「何も」
「何かあるだろ?
趣味とか好きな事とか夢中になってる事くらい」
「そんな物は無い」
「今までどうしてきたんだ?
楽しい事は?嬉しい事は?」
「そんな事を訊いてどうするんだ」
「何を持たずに生きてきたというのか?」
「それが何だ」
「お前には感情が無いのか?
お前は人間だろ?」
「無い者も居ると聞くが」
「一部の人間だけだ」
「例えば?」
「殺人鬼とか」
「へぇ
なら私が人殺しと同じと言いたいのか?」
「そんな事は言ってない
だから無いのかと聞いた」
「私に感情等不必要だ」
「…何故だ」
「それは言えない」
ガラッ
教室の扉が開いた
姿を現したのは南香奈だった

