俺はタクシーが信号で曲がった所で唇を拭った
あの糞女‥
「拭っても良いのか?」
俺は右を見た
山本だ
その後ろには昨日の奴等が居た
「お前、ホストだったんだな」
「‥あぁ」
「お前、若に対しての口の効き方に気を付けろ」
後ろの奴が言った
「別に良い
そんな事、気にしなくて良い」
「…」
「何故、連絡しなかった?」
「逆に何故、連絡をしなければならなかった?」
「ふははは!」
山本は声を出して笑った
何が面白いのか俺には良く解らなかった
「いや悪い
昨日のお前の殴りは一般人の殴りじゃなかった」
「俺は一般人だ」
「いや違うな」
「‥あぁ
少し格闘をかじった」
「それも嘘だ」
「…何が言いたい?」
「組に入らないか?」
そう言われた瞬間、俺は心の中で細笑んだ

