「ねぇ」
「あ?」
数人の男達と佐藤さんはこっちを見た
佐藤さんは今にも泣き出しそうな顔をしている
「人は涙もろい」とクドーから訊いた事がある
「最近の人間は自分で身を守る事が出来ない」とも言っていた
「その子、友達の大事な人だから話してあげて」
「あぁ?誰だテメェ」
確かに僕と佐藤さんはどんな関係なのだろう
学校が一緒で同年齢だから‥
「同級生?良く僕にも解んないけど、取り敢えず友達の大事な人だから離してあげてくれないかな?」
「あぁ?俺達はこれからこの子と遊ぶんだよ
この子の同級生だか知らねぇがすっこんどけ」
「それは無理だよ」
「あ?うるせぇよ」
そう言って一人の男が僕の胸ぐらを掴んだ
「こ、児嶋君‥!」
佐藤さんの慌てた声が聞こえた

