思い出した
転校してきた次の日からやたらと話し掛けてくる女子が居た
「バイバイ」だったり「おはよう」だったり最近では「児嶋君の趣味って何?」とか質問をしてくるようになった
昨日は「一緒に帰らない?」だった
「忘れてたの?」
椎名は笑っていた
「うん」
「あんだけ話し掛けてるのに忘れられてるって可哀相」
可哀相と言っている椎名は笑っている
ちっとも可哀相だと思ってない表情だ
その逆で面白がっている
「その人、名前、何て言うの?」
「えぇ?!知らないの?」
「うん」
信じられないと言った顔だ
「栗田七海(クリダ ナナミ)だよ
教えて貰わなかった?」
「ううん」
「そうだったんだ」
「うん」
「でも栗田さん、結構、可愛いし付き合っても良いんじゃないかな?」
「倉之助は栗田さんに告白されたら付き合うの?」
「え、好きなら付き合うかな」
「そうなんだ
僕もそれと一緒で好きな人とは付き合わないよ」
「同じだね」
「普通の考えでしょ?」
「そういうのじゃない人もいるよ」
「好きでも無いのに付き合ったり?」
「うん」
「顔が可愛いからって付き合ったり?」
「うん」
「でも、さっき、可愛いから付き合ったら?て倉之助、言ったじゃん
それって顔で判断しているって事でしょ?」
「‥確かにそうだね
さっきの言葉は撤回するよ
ごめん」
「謝らなくて良いよ
思った事を言っただけで怒ってないから」
「うん、ありがとう」

