「そこに座りなさい」
あたしは水谷が指定したパイプ椅子に座った
バックは膝の上に置いた
水谷は机を挟んだ向かいの椅子に座った
「俺の講座を聞いてもっと聞きたいと思う生徒はまず居ない
俺の講座は難しいから皆はノートを取るだけで苦労する‥
と前に聞いた事がある」
「はい
存じております」
「それでも聞きたいと?」
「はい」
「そうか」
水谷は考えてようだ
少し経ち水谷は口を開いた
「良いだろう
明日、午前中に俺の講座がある
その講座を受けるか受けないかは別として、その講座の後に又、此処に来なさい」
「ありがとうございます」
あたしは満面の笑みを作り椅子から立ち上がり深々と頭を下げた
頭を上げると水谷は少し顔が赤くなっているようだ
あたしは「失礼しました」と言って部屋を出た
その足で大学の中にある小さな喫茶店とまではいかないが
飲み物を販売している所へ向かった
そこでブラックコーヒーを買い窓の近くの席へ座った

