朝、とは呼べない正午に差し迫ろうとした時間に少女は起きる。
 流れるような黒髪をぼさぼさに散らしたまま不機嫌に起きると、携帯の時計を見て溜め息を漏らす。

「昼前…また授業半分出れてないか…全く厄介な仕事始めちゃったもんだなぁ」

 もう一度溜め息を漏らすとそのまま頭をガシガシと撫で、仕方ないかと割り切ってベッドから降りる。
 亜矢は世間一般で言う不良と言う認証を少なからずされている、その原因の一つがこれだ。
 本人は授業には出たいようだが睡眠時間には勝てなかった。これでも睡眠時間を削ってみたが今日は都合が悪かった、眠りについたのは明け方6時過ぎでとっくに勤勉な学生や社会人は起きている時間だ。
 亜矢はまだ15歳、肌にも悪いし何より小さな身体が更に伸びなくなるのではと内心憂鬱だった。

「メールは…はぁ来てるな、しかも東城さんかよ…こりゃ学校いけないな」

 日課のメールチェックを済ませると手早く髪を櫛で整えて、メールの返信を済ませる。
 最後に仲の良いクラスメートに今日は学校に行けない旨を伝えると、学校の制服では無く私服に着替えてマンションを出るのであった。

 少女探偵の一日が始まる。