ひなを抱いたまま、体を揺らしてあやす。

すると少しずつ落ち着いてきた。

「けーくん」
大きな目で俺を見上げてくる。

「どした?」

「…ゆーくん
…ひなのこと、おこってる…?」

「ひなのことは怒ってへんよ」

「………ゆーくんとこ…」
ひななりに結城のこと、気にしてるみたい。

「ゆーくんところ行く?」
小さく頷いたひなを抱いたまま、
結城のところまで。