「ただいま」
「あら、おかえりなさい友希愛(ゆきあ)お嬢様」
「おかえりー」
その友希愛という女の子は、華奢で、髪もそこまで長くなくて、セミロングぐらいだろうか。
綺麗というより可愛い童顔な顔をしていた。
「あなたが?」
俺の顔をじっと見つめながら彼女は言った。
「本日より家庭教師として来ました。原田棗です」
「へー。ま、いつまで持つかしらね?三週間出来ればいい方かな。だってあなた弱そうだし。でも、一応名前言っとくね。如月友希愛(きさらぎゆきあ)高校3年」
イメージと違った。
高3に見えないぐらいの甘い顔に毒を吐かれた。
少しショックで、俺は彼女の背中を見送っていた。

