「友希愛は、鈴蘭って花知ってる?」
友希愛が海斗の妹だと気づいたから少し親近感が湧いてきた。
嬉しかった。
あれほど会いたかった海斗の妹。
海斗の心臓を持つ妹。
だからきっと今も鈴蘭が好きなはず。
「鈴蘭?」
さっきまで雪の話を楽しそうにしていた友希愛が急に声が低くなり、気に触ったような鋭い目つきになった。
「鈴蘭、鈴蘭なんて花知らないわ。鈴蘭なんて嫌いよ!そんな話、その花の名前は二度と口にしないで!もう嫌!いやーっ‼」
友希愛は立ち上がり、ソファの上にあるクッションを俺に向かって投げたり、机の上の教科書をグチャグチャにして叫んだ。
「いやーっ!あんたなんかでて行きなさい!顔もみたくない」
暴れる友希愛を僕はただ見つめるしかなかった。

