みんながいった方とは、真逆の道を行く僕ら。
そこまで遠い距離をあるっていないはずだし、ここは山なはずなのに少し違う道を通るだけでこうも景色は変わるものだと驚いて居た。
五分ほど歩いてからだろう、草が茂り見えてきた。
「着いたよ」
青い草花たちが茂り、同じ山なのに不思議だった。
「すごい…。」
広い大地、草花、それに空がこんなにも近いなんて。
あれ?でも、なんか見たことがある。
でも僕は、この場所にも、この山にも来たことはないのに。
「ここは、僕の1番好きな場所なんだ。それに、思い出の場所」
そうだ、ここは、さっき海斗から見せてもらった写真に写っていた場所。
でも、鈴蘭の姿はなかった。
「鈴蘭は、春の花なんだよ」
そうか、今は春じゃない。秋、いや冬に近づき始めているのだ。

