山は、初めてだったためか、ゴツゴツしてすごく歩きずらかった。

「麻生山はね、この街のシンボルなんだ」

「もしかして、麻生町だから麻生山?」

海斗は笑った。

「あーそこまでは分からないけど、きっとそうだね」

たわいのない話をしながら頂上を目指す

思ったよりも長い道のりで、小学生だった僕にはハードに感じた。

だけど、さすが街のシンボル。

クラスのみんなは登り慣れているのだろうか、スタスタと涼しい顔をして登って行く。

疲れた、さすがにそう思い始めた。