高橋くんはにこにこしてあたしを見ている。


無駄にイケメンだから、気持ち悪いとも思えない。


むしろ笑われていい気分よ。


「璃里香ちゃん」

「……なんですか?」

「立候補してもいい?」

「何に?」

「やだなあ。彼氏に決まってんじゃん~」

「……なんで?」

「璃里香ちゃんが好きだから」


目の前の少年がにっこりと笑う。


軽い。軽すぎる。


普通のイケメン好きだったら、メロメロになるんだろうな。


でもあたしは、目の前の高橋くんがどうしても手樫くんに見えてしまう。


手樫くんのことは決して嫌いではない。歌がうまいからいつも聞き入るほどだ。


でもチャラいのだ。言動すべてが軽いのだ。テレビだから許されて人気がある感じ?


でも憎めない。