やばい。翔さん引いたかも。


恐る恐る翔さんを見ると、腹を押さえて笑いをこらえていた。


「翔さん……」

「はははっ! 飽きないな、りー」

「じゃああたし、ベッドで寝ます」

「あ、拗ねた」

「拗ねてないです。おやすみなさい」


またばかにされたし。


あたしは勢いよく布団を被って横になった。


本気で怒ったわけじゃないけど、ちょっとは笑ってくれて嬉しかったけど……でも、ちょっとだけ怒っていた。


キスも寸前で止められたし、あたしは求められる対象じゃないのかなって……。


ちょっとだけ寂しくなった。


なんかやっぱりおかしいな、今日のあたし。


布団にくるまっていると、翔さんの匂いがした。


無性に泣きたくなる。


ああほら、やっぱりおかしい。


翔さんの布団なんて、鼻血が出るくらい嬉しいのに。