「うち、彼氏早く欲しいねんもん。今回は当たりっぽいんや。ていうか、うちよりも、璃里香の方が早く彼氏作った方がいいと思うねんけど」

「彼氏なんて、作ろうと思ってできるわけじゃあるまいし、あたしは嫌」

「それが、彼氏いない歴19年の奴が言うことかいな」

「ていうか、そんな暇があったら、あたしは家で誠ちゃんの番組見る」

「大山くん、週一しかテレビ出とらんよな? しかも、金曜の真夜中」

「ニュースキャスターとして、毎週水曜日にもでてます」

「え、あんた、ニュースも録画してるん?」

「当然」


あたしが軽くうなずくと、途端になつの顔が強張った。


「璃里香、それは異常やて」

「は?」

「今日はあんたも参加せなあかん」

「はあ?」

「あかんって。うちよりも干物系女子に走ってるで」

「いや、だから、今日は家で誠ちゃんの活躍を……」

「今日の夕飯、奢ったるで」

「え、それはちょっと迷う……」

「よっしゃ、璃里香参戦!」


決められたよ……。


なつが喜ぶ傍ら、あたしは、ニュースを録画して悪いのか?と、頭の隅で考えていた。