「うちから言わせると、アイドル、とはちょっと違う気するけどな。大山くん」

「なつ、悪いけど、誠ちゃん、立派なアイドルグループの一員だからね」

「まあな。イケメンばっかりのグループもつまらんしな。いろんな人がいて、真のアイドルが光るんや」

「ちょっとなつ、誠ちゃんはかっこいいよ」

「そおかあ?」

「誠ちゃんほどスーツで色気ムンムンの人いませんが……何か?」

「あー、わかったわかった。突っ込んだうちが悪かったわ」


食い気味のあたしに、なつがしっしと手を振った。


「で、なつ、なんか用?」

「ああ、あんたのアイドルの話で、忘れるとこやったわ。今日合コンの誘いがあるねんけど、一緒に行かへん?」

「合コン?」

「今回はかっこええ男いっぱいらしいで。璃里香好みの人もたぶんいてるんやないかと……」

「お断りさせていただきます」

「即答かい。そう言うなや。こっちは、人数集めに苦労してんねんで」

「それは、なつが合コン無理やり参加しようとするからでしょ」


なつは、彼氏いない歴五年の、合コンで彼氏を見つけようとする典型的な女子大生だ。


大阪出身で、さばさばしているから付き合いやすいのだけれど、縁がないらしく大学に入ってから何度も合コンに参加しているのにもかかわらず、いまだに好みの男と出会えていないらしい。